唾液の働き2

投稿日:2016年9月30日

カテゴリ:大矢歯科ブログ

前回は、唾液についてお話しました。

今回はより詳しく、口の中でどのような働きをしているかお話していきます。

消化作用:食べ物が一番最初に入る口の中で、噛む行為と唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼなど)により、胃の中に入る前に、炭水化物や脂質の消化する働きがあります。よく噛めば噛むほど、消化が促進して、胃への負担を少なくします。
味覚作用:私たちは主に、「甘味、苦味、塩味、酸味、うま味」を口の中で感じる事が出来ます。舌には味を感じる細胞(味蕾)があり、唾液で食べ物が分解された成分がこの細胞に浸透し、上記の食べ物の持つ本来の味覚を感じる事が出来ます。
潤滑作用唾液によって舌や頬の動きを良くする事により、滑らかな発語が出来ます。また、食べ物を食道へ飲み込む事をスムーズにする働きもします。
再石灰化作用:唾液にはリン酸やカルシウムなどのミネラル成分が含まれていて、食事によって溶かされたミネラル成分を修復する(再石灰化)働きをします。虫歯になりやすい人は、この作用が弱い事が原因のひとつとされています。
緩衝作用:食後、虫歯菌などによって酸性化した口腔内を中性に戻す働きをします。特に、酸性化している時間が長いと、虫歯の要因となりますので、中和する作用は重要です。
抗菌作用:外気中の細菌は、口の中を通して体内に入り込む事は多く、唾液に中にある抗菌物質(代表的なものラクトフェリン)が作用して、殺菌を行いバランスを保ちます。
自浄作用:お口の中にある汚れや残渣物を洗い流し、常に清潔に保つ作用です。
保護作用:粘膜は薄く傷つきやすい組織です。熱いもの、冷たいものや刺激が強いもの、魚の骨や硬いものをから、唾液の分泌により守ります。

このように唾液は、私たちの健康にとって、さまざまな場面で無くてはならない働きを日頃から行っています。そういえば最近、飲み込みが悪くなった、口の中がよく渇く事が多いなどは、唾液の分泌の低下が影響しているかもしれません。次の機会には、この部分についてもお話してみたいと思います。