唾液分泌の低下 ドライマウス1

投稿日:2016年10月7日

カテゴリ:大矢歯科ブログ

過去2回、唾液の働きについてお話しましたが、今回は、実際潜在的に多いと言われている「ドライマウス(口腔乾燥症)」についてお話してみたいと思います。
最近、口の中が良く渇く、ネバネバした感じがする、口臭が気になる…。などの症状がある方、ドライマウスの疑いがあるかもしれません。残念ながら自分自身では、唾液分泌する量を意識的にコントロールする事は大変困難です。そのため、減少している原因をつきとめて、改善する必要があります。

ドライマウス症状となる原因について

咀嚼(食事を噛む)回数が少ない:唾液は噛むことによって、唾液腺の周辺が刺激され分泌を促進させます。残念ながらファストフードを食べる機会が増え、現代の食事事情から柔らかいものが多く、良く噛まないで飲み込んでしまう行為が繰り返されているため、唾液量の減少に繋がっています。
口呼吸:鼻で呼吸する場合、空気の通過する副鼻腔内が壁で仕切られているため、乾燥しにくい仕組みになっていますが、口の場合は、口腔内の粘膜に空気が触れるため、乾燥しやすい状況となります。花粉症の方などは、季節により大きく影響します。
水分量の不足:唾液の分泌量は、1日約1.5ℓと言われていて、同程度の水分補給が必要となりますが、ダイエット,過度な食事制限,偏食により、十分な補給を行う事が出来ない。
ストレス:唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経ですが、過度のストレス,緊張感が続く事により、交感神経が優位に働き、ネバつきのある唾液と量自体も減少していきます。水分不足から来る喉の渇きとは違い、実は、現代社会において「ドライマウス」になる一番多い原因とも言われています。
過度な喫煙,アルコール摂取:タバコ内に含まれるニコチンが、体内血管を縮小、血行の循環を悪くさせ、唾液の分泌の低下をさせます。またアルコールの飲み過ぎは利尿作用から脱水状況を作り、唾液減少の一因となります。
加齢,高齢化:年齢を重ねると口の筋肉、咀嚼力も衰え始めます。また姿勢も悪くなると、呼吸が浅くなり上記の「口呼吸」を引き起こします。また、日常的に話す機会が少なくなると、口,舌を動かさない事が多くなり、結果、分泌自体が困難になってきます。
内科的疾患,服薬の影響:元々持たれている疾患から処方されている薬の副作用、例えば、高血圧薬、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤などがあります。著しく影響する場合は、処方された先生にご相談する事をおすすめします。また、「シェーグレン症候群」という免疫疾患の症状のひとつに「ドライマウス」が含まれています。残念ながら、この病気はまだはっきりとした原因が解明されていません。

今回は、唾液が少なくなる主だった原因をあげていました。皆さんも思い当たる項目がありましたでしょうか。次回は、改善、対策方法について書いていきます。