歯周病とは1

投稿日:2016年10月23日

カテゴリ:大矢歯科ブログ

今回から、数回に分けて「歯周病」について書いてみたいと思います。
それではまずはじめに、「歯周病」とは、どのような病気でしょうか。
ひとことで言うと、歯を支える(歯肉)と骨(歯槽骨)が、細菌感染により壊されて行く事です。以前、歯の構造の時にお話しましたが、歯の根の表面にあるセメント質と歯槽骨の間には歯根膜という繊維があり、歯を骨から抜け落ちないように支えています。虫歯は、歯そのものを壊していくのに対して、歯周病は、支えている組織の歯と歯茎の境目に増殖し、炎症、腫れを繰り返す事により、境目(歯周ポケット)を深くしていきます。やがて土台となっている歯槽骨も溶け出すようなると、歯自体がグラグラと揺れはじめ、最終的には抜けてしまう事となります。日本人40歳以上の約80%がこの病気にかかっていると言われています。

それでは、どのような時に歯周病になりやすいのでしょうか。
第1番目に、歯周病の原因となり歯周病菌の存在があります。種類については別の機会にお話しますが、10数種類以上確認されている原因菌の中でも、P.g.菌、T.d.菌、T.f.菌の3種類については、特に重度の歯周病に影響を及ぼしているといわれています。:微生物因子
第二番目は、お口の中の状況。普段からのブラッシングの状況、歯と歯肉のポケットの深さ、プラークの付着量など。また喫煙歴から食生活から内科専門医などの受診歴などの日常生活からくる原因:環境因子
三番目には、年齢、性別、遺伝、生まれた国から、歯の本数、血液機能など。:宿主因子
最後は、咬み合わせによる影響。歯ぎしり(ブラキシム)や食いしばる癖のある方、不正咬合など:咬合因子

今記した各因子が重複する事で、歯周病の発症が高まっていきます。特に、環境因子については、日常生活に関わる行為が中心で、普段から歯磨きを行わず口の中を不衛生し、生活が不規則で仕事などの過度なストレスなどが加わると、非常に危険な一因となります。

この事から近年、「歯周病」は生活習慣病のひとつとして取り上げられているのです。