歯周病とは4

投稿日:2016年12月17日

カテゴリ:大矢歯科ブログ 未分類

今回は、前回「歯周病とは3」で記しました、レントゲン検査とプロービング検査以外に行う検査についてお話していきたいと思います。

まずひとつめは、口腔内写真になります。 レントゲンで再現出来ない歯や、歯茎の色、形態を確認する事が出来、当院は5枚法(中段写真)で撮影する事により、歯列、噛み合わせの状況なども確認出来ます。

なぜ口腔内写真を撮るのか…。

これは歯周病診療以外ににも当てはまる事ですが、

治療をスタートするに当たりより説明をわかり易くする事:患者さん自身にも、普段見えにくく確認出来にくい部分を見てもらい、原因とこれから行う治療計画を明確にするための需要なツールとなります。

診療前の状態の記録:人間の記憶は曖昧な部分があり、治療経過に伴い、医療側→患者さん側と考え違いを起こす場面も少なくありません。画像記録として残す事により、誤解の生じる事を防ぎます。

治療後の状態確認、経過記録として保存:治療前に行った口腔内写真と治療後の写真を比較する事により、より明確な治療を確認出来、継続的に来院され、写真を撮影•保存していく事により、ご自身の歯の歴史を時系列で見て頂ける事となります。当院でも、何十年もの記録を保存されている患者さんもいらっしゃいます。ひとりひとりの患者さんの経過を管理していく事。私たちが目指す「かかりつけ医」としての目標でもあります。

 

5photo

               口腔内写真 5枚法

 

もうひとつ、当院では診療の流れを説明する中で、ご希望の方に位相差顕微鏡の検査をおすすめしています。
唾液の回でお話致しましたが、口腔内には無数の細菌が繁殖しています。細菌は、私たちに取って良い作用をするものと害を及ぼすものが存在し、歯周病の発症となる菌も、この中に含まれています。
検査方法としては、ほんの少し患者さんの口腔内汚れ(歯垢)を採取
し、上記の顕微鏡を用いて観察します。この顕微鏡の良さは、生きたままの細菌を鮮明な画像で観察出来、また同時に患者さんにも見て頂く事により、理解を深めて頂けるツールになります。初めて画像を見ると、かなり衝撃を受ける方もいらっしゃいます。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

位相差顕微鏡

uvs090511-007   口内細菌(歯周病菌)            

 

この他にも、唾液を採取して、成分:ヘモグロビン(Hb)、乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度を計測。歯周病リスクの指標として用いる検査もあります。

今回お話いたしました検査方法は、近年、より患者さんにわかり易い形で歯周病予防•治療を理解頂き、医療側だけでなく患者さん自身が、日頃からのケアがいかに大切かを感じて頂くスタートに役立っています。

■ 他の記事を読む■